第8話~縁日って……
ゆうちゃん(以下ゆ)「ねえ、むっくん。今、パンフレットを見返していて思ったんだけどさ」
むっくん(以下む)「そういう前振りはあまり続きを聞きたくない気がするんだけど……何かミスにでも気付いたの?(汗)」
ゆ「フットサル部が縁日をやるって書いてあるじゃない? ヨーヨー釣りとか輪投げとか、ちびっ子達が喜びそうなものを用意してるって」
む「うん、18ページにそう書いてあるね。それがどうかしたの?」
ゆ「縁日ってさ、特定の神様仏様に縁のある日って意味でしょう? 阿弥陀如来なら毎月15日とか天神さまなら毎月25日とか」
む「えっ……縁日ってそういう意味だったの? 食べ物とか簡単な遊びの屋台とかが来る日って意味じゃなくて!?」
ゆ「あのね、縁日には神様仏様とのつながりが強くなるって言われてるの。だから例えば水天宮だったら毎月5日には安産祈願の人がたくさん集まってくるでしょう。その集客効果を見込んで屋台を出す人がいたってこと」
む「……なるほど、ちなみに28日も誰かと縁のある日だったりする?」
ゆ「28日は大日如来の縁日って言われてるね。真言密教のご本尊だって」
む「医学とは全然関係ないね……。まあ、別に良いんじゃない? 縁日があるって言えば大体それで意味は通じるだろうから」
ゆ「まあ、縁日の意味をちゃんと知ってる日本人の方が少ないかもね。ぼーっと生きるなって怒られそうな話だけど」
む「子ども達のために考えた企画なのに、5歳児に怒られることになるなんて(泣)」
ゆ「まあ、ち○ちゃんも見逃してくれるんじゃない。普通学園祭で子ども向けの企画なんてあんまりないと思うし」
む「子ども連れの大人に来てほしいって計算は含まれているけどね」
ゆ「ある程度の集客は必要だから、それは仕方がないでしょ。それに子どもから大人まで楽しめるお祭りにしようっていう発想自体に嘘はないのだし」
む「それはそうだね。皆が楽しめてこそ、今年の本九祭の理念を実現できる訳だし」
ゆ「ところで改めて縁日について眺めていたら本九祭翌日の9月29日は己巳の日なんだよ。つまりいわゆる弁天様、すなわち弁財天の縁日だから日曜日に開催だったらさぞかし儲けが凄いお祭りになっただろうにさ、それに弁才天が面白いのは一般にはヒンドゥー教のサラスヴァティが仏教に取り込まれた神様だとされるけど日本の弁才天は吉祥天なんかも習合して更に本地垂迹により宗像三女神の一柱である市杵嶋姫命と同一視されることもあったりして……
む「えーっとゆうちゃんが止まらなくなったので、この辺で今回は打ち切ります!」
ゆ「ちょっと勝手に打ち切らないで! 弁才天は七福神の一柱であるとされるけど、実は七福神は……(以下省略)